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旅がくれたメッセージ “メメント・モリ” [おわりに]

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2か月間の旅が終った。

改めて旅を振り返ると、いろんな人との貴重な出会いがあった。
18年ぶりのフランスの親友との再会は、最初はさすがにお互い言葉が出てこなかったが
すぐに打ち解けて昔のまんまの関係に戻った。また、同じように旅をする日本人と食事を
共にし旅先ならではの気楽さで話が出来たことも嬉しかった。その他、宿で、レストランで、
道で出会ったり、言葉を交わした人は無数にのぼる。

その中でも、イタリアのサンレオに行く途中で出会い理想の隠遁生活の研究にいそしむマエストロ
(当ブログ『Otium団とバラの酒』参照)、そしてフランスのカンヌのホテルで貴重な話をしてくれ
たグアテマラの司祭(当ブログ『エクトル神父』参照)との出会いは、ちょうど人生の折り返し時期
に差し掛かり今後について考える機会も多くなっていた自分にとって、起こるべくして
起きた不思議な出来事だった。

結局今回の旅を通じ、どこに行っても人の暮らしは大差ないこと、そして数千年前から人間の思考
や頭脳は進歩していないことを確認した。そのことが人間に対する過度の幻想を打ち砕いてくれた。
なんだ、人間なんてそんな上等な生き物じゃないじゃん。

カタコンベでも思ったが、どんなに虚勢を張ったところで、やがて人間は死んでゆく。
そして、どんなに用意周到に計画を立てようとも人生では予期せぬことが起こる。
そう考えると、確かなものは今、この瞬間しかない。
今を生きなければ、未来は来ない。そして幸せも感じることが出来ない。

『今を生きろ (メメント・モリ)』
これが今回の旅が僕にくれたメッセージだ。

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“メメント・モリ” 1世紀ごろポンペイの壁に書かれた猿の頭蓋骨、ナポリ考古学美術館にて


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パリは音がいっぱい [Paris]

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カルチェラタンにて

パリの魅力のひとつに、音楽が身近にあることがあげられる。
ライブハウスやバー以外に、地下鉄の通路、路地、公園など人の集まるところなら
どこででも音に遭遇する。それも、日本のストリートミュージシャンのようにちっぽけな
失恋の痛手を似通った声色で必死に歌うような子供っぽいものでなく、ジャズや
クラシック、アカペラ、はたまた民族楽器まで大人でも楽しめる本格派なものが多い。

町に音楽があると、活気が生まれる。それはまた寛いだ雰囲気を町にもたらす。
それはパリの魅力の一部になり、驚異的な年間旅行者数2800万(パリだけで)に寄与して
いるのだろう。 (*因みに現在の日本全体の年間旅行者数は900万人にも満たない) 
これだけの旅行者が世界中から来るとすればそれだけ投げ銭も集まるだろうから仕事と
して十分成り立つということも街頭ミュージシャンが多い一因かもしれない。

そういえば、ストリートミュージシャンと言えば、今回の旅で忘れられないアーティストに出会った。

ある日地下鉄に乗っていたとき、60歳程の痩せたおばさんが乗り込んできた。どう見ても
普通のおばさんのそのお方は、片手に黒い小型の箱のようなものを抱え、それをドンと
足元に置くと、何やらごそごそし始めた。するとノリノリのラテンの曲が突然黒い箱から鳴り出した。
だが、どうやら曲を間違えたらしく、慌ててリモコンをいじくると一転してムーディーな“べサメ・
ムーチョ”に切り替わった。

おばさんは軽く咳払いをすると、遠慮がちにあたりを見回し少し恥ずかしそうにCDに合わせて
歌いだした。
『べサメ~ ベ~サ~メ ム~チョ~♪』
その歌は申し訳ないが、例えるなら40年ぶりに行われた同窓会の二次会のカラオケで
無理やりマイクを持たされ久しぶりに歌うおばちゃんの歌のようだった。
オーラの全く出ていないどちらかといえば幸薄そうな、しかも歌がまったく素人くさいおばちゃんが、
大衆の面前でそういうことをするということに、先ずは衝撃を受けた。

歌は続く。

『コモ~シフエラ~ラノーチェ~ラウルティマ~べ~ス~♪』
見ると、おばちゃんの前に座っている女子二人組は笑いをこらえるのに必死で肩が揺れている。
その向かいの男性は絶対におばちゃんと目を合わすまいと必死な形相だ。

僕はその光景がシュール過ぎて、おばちゃんには悪いけれどおかしさをかみ殺さんとするばかりに
顎がはずれそうだった。やがて目的の駅に着いて僕と連れは電車を降りたが、あのおばちゃん
は投げ銭を獲得出来たのか気になってしょうがなかった。

パリに行くとこれまでの人生で出会ったことのない音に出会える。
さすがは多様性の町。そして懐が深い。鬼のように深い。

この日、人に感動や衝撃を与えるのは“上手”ばかりじゃないことを教わった気がした。

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発表 旅の携行品 ベスト3 ワースト3  [Paris]

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カンヌのホテルで。持ち物の写真は後で見返すと当時を思い出しやすいので1枚は撮っておきたい

1.持って行って良かったもの

Ipadとipad用SDカードリーダー
辞書、旅行中のblogの作成、訪問先の地図確認、行事検索、緊急ホテル予約ととにかく
大活躍だったのがこれ。アラームにも懐中電灯にも電話代わりにもなり、旅行本もスキャン
して入れておけ、使い方はもう無限。 完全に旅の必需品だろう。

フリクションボールペン スリム、癒し系OLフィギュア “コップのフチ子さん”
現地の人との友好の品として持参。フリクションボールはうんちくを語りながら渡すときの
あの感覚は何物にも代えがたい。コップのフチ子さんは、受け取った人の活用方法を観察
するのが面白かった。ある者は6歳の娘に即与え、彼女は嬉しそうにフチ子さんをバービー
の家に招待していた。またある演劇の演出家は、リビングのスタンドの傘の部分に箱に
入っていたレモン模型とフチ子さんを載せ、アートしていた。

ウェットティッシュ
旅は汚い。そして旅は乾いている。その二つを満たしてくれるにくい奴がウェットティッシュ
だった。そこのあなた!そんな素敵なハンカチを5枚も持って行くのは止めましょう。
ウェットティッシュ3パックで全ては“きれいに”収まるよ。



2.持っていけばよかったもの

プラスティックバッグ入り塩コショウセット
現地でも安く買えるが、容量が大きすぎて荷物のじゃまになる。少量をバッグに入れて
持ってくれば良かったとステーキ肉を購入したときに痛感させられた。

ポッケがいっぱい付いたレインジャンパー
今年の初夏のイタリア、フランスはかなり寒く、現地の人も首をかしげていた。そして各地で
突然の小雨に何度も襲われる羽目に。寒さ対策にも雨対策にもなるレインジャンパーが
あればベストだった。ポッケも多ければ多いほど良い。

すきバサミ
ひと月以上旅をしていると髪もかなり伸びてくる。でも外国の床屋は怖い。そこで、うざったさか、
チャレンジかの二者択一を迫られる。自分は後者をとった。しかし値段に負け(大人8€)、あれだけ
手を出したらいかんと釘を刺されていた中東系床屋に足を踏み入れてしまった。結果は、ゴルゴ
13のデューク東郷風昔のゲイ雑誌に出てきそうな奇妙な短髪にされた。すきバサミを持って
来なかった自分を呪ったのは言うまでもない。



3.不要だったもの

『鉛筆1本で始める3分スケッチ練習帳』とトレーシングペーパー
絵がうまく描ける男になりたいとずっと思っていて、この旅で時間が出来るだろうからいい
チャンスだと持参。結局1ページも開かず、“絵のうまい、ちょいデブオヤジ”の肩書は将来に
預けることになった。

お経
かつてお経を読んでいた時期があった。今回お経よ再びと持参したが、敬虔な宗教心は
とっくに消え失せ、俗物に成り下がっていた。“このバチあたりものめが!”


双眼鏡
劇場にオペラ×1、コンサート×2観に行ったので必要ではあったが、全ての回忘れ、用を
果たせなかった。結局なくてもどうってことはないという意味で。

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パリの食堂の攻め方 [Paris]

パリを旅する人に、約1か月のパリ滞在で僕がたどり着いた一日の食事の
組み立て方を紹介したい。

朝: 自宅にて/コーヒー、クロワッサン(その日の朝買ったものならベスト)、ヨーグルト

昼: レストラン・ビストロのセットメニュー(前菜+メイン+デザート、前菜+メイン、メイン+デザートの3つから選べる。€10~25位)

夜: 自宅にてワインとフランスパン、デリのお惣菜、デザート(日中パティスリーで購入)もしくは、エスニック料理屋で簡単に済ませる。



上記を基本に、クレープ、サンドイッチ、エスニック料理を組み入れて変化を出す。
例えば、昼をテイクアウトのサンドイッチにして公園のベンチで食べ夜にレストラン
へ繰り出したり、昼にタイ料理屋で7.5ユーロ程度のセットメニューを食べて夜は
ワインバーに行くとか。ポイントはレストラン・ビストロの定食Munu(ムニュ)を存分
に活用するということだ。

パリ滞在で一番気になったのが食費が高いこと。食堂に入ると簡単に2千円が消えてゆく。
日本ならば夜はともかくとして昼間から2千円使うのは、セレブ奥様達くらいのものだ。
でも、せっかくフランスに来ているのだから日本で割高なフレンチを堪能したい。
それならば、割安な昼のムニュを軸に一日の食事を組み立てるというのがいい。

因みに選び方だが、フランス語が分からない人は前菜、メイン、デザートから
適当に一つずつ選べばいい。知ってるものを選ぶより、適当に選んだ方がうまいものに
あたったときの喜びは大きい。でもたまに、前菜:冷皿、メイン:冷皿、デザート:アイス
という組み合わせになり、すっかり凍って店を出てくることになることも言っておきたい。

さて、忘れてはならないのがスイーツだ。
パリは洋菓子の都でもあり、美味しいお菓子の宝庫だ。滞在中に出来る限り味わって
おきたい。それには町のパティスリーをフル活用することが肝要。日中観光で歩いている
ときに、美味しそうなパティスリーを見かけたら、飛び込んで購入しておく。それを
歩きながら食べてもいいし、適当な公園があったら一休みがてら食べてもいい。
また持って帰って夜にゆっくりと味わってもいい。それを続けてゆくと確実に太る。
しかし、太るだけの価値のある味覚経験は出来る。

スリに遭ってしまいお金が乏しくなった人へ
Belleville近くのチャイナタウンにある豆腐屋に駆け込めば、豆腐スープとぶっかけ飯が
計€3.5ほどで食べれ、帰国日まで命がつながる。テイクアウトの肉まんもめちゃ安い。
100%中国人で猛烈に混んでいてうるさいが、見知らぬ中国人と肩を並べてスープを
啜っていると、ひととき尖閣問題を棚上げしてやってもいいかという気になる。
因みに滞在中一番安く食事が出来たのがここだった。

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マレ地区にあるビストロ

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古いのか新しいのか判別不能

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水道水はチャージされない

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前菜、メニューから適当に選ぶので何が登場するか楽しみだ

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メインの冷製パスタ

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今日の自分の直感が冴えているかどうか、ここで分かる

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2ヶ月近く豆腐を食べてなかった。しみる!

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パルマのデリカテッセン  [Parma]

パルマのメインストリートのデリで出会ったお惣菜。
ここは日本の伊勢丹に出店しているらしい。
電車の乗り継ぎ時間わずか1時間の間に駆け足で町を歩く。
荘厳な宮殿と美術館が川のそばで佇んでいる。
パルマはうまい食べ物と芸術の根付いている土地だ。
パルマを素通りしたことをことのほか後悔させられた。

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ストラスブール食事メモ [Strasbourg]

ドイツとの国境近くのフランスの町ストラスブールを訪れた。
パリからTGVで約2時間20分の距離に位置する。

ここを訪れることになったのはパートナーのたっての希望のため。
でも自分も以前より気にはなっていた。なにせアルザス料理とワインが
楽しめる町だからだ。

ストラスブール以南にはアルザスワイン街道と呼ばれる地帯があり、有名な白ワイン
6種と赤ワイン1種を生産するワイン好きには見過ごせない。
そしてアルザスのビール“クローナンブール”(現在カールスバーグ所属)の生まれた
ところで現在も近くに工場がある。
またパリからストラスブールへ向かう途中にはシャンパンの本拠地ランスもあり、
豊かな食文化の花咲く土地柄だ。

たった1日の滞在期間しかないが行けるところまで(食えるところまで)行こうと
パートナーと固く決意し合った。以下そのとき食べたものの記録だ。

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ピコン&ビール  
ピコンはオレンジの果皮とハーブで出来たフランスのリキュールで、
独特の苦みと甘みがある

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タルト・フランベ(フラムクーシュともいう)  ハムと玉ねぎがポイント
運河沿いのプティット・フランス内にある3軒続きのレストランにて

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ハムのパテをパイで包んだもの (これ何ていうんだろう?)

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ベッコフ(Backeoffe) 肉、じゃがいも、玉ねぎの煮込み料理
シンプルな味わいで悪くない。結構なボリュームあり

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シュークルート 発酵させた煮込んだキャベツと煮込んだ豚肉やソーセージを合わせたもの
一説にはこのサワー・クラウトは麺つゆと胡麻油をかけて食べても旨いとか

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フォアグラのパテ  夜のレストランにて。レストランを探そうとそぞろ歩きをしていたとき、
テーブルにセットされていたグラス類やカトラリーのセンスの良さに連れが目を留め入ることに。
その選択に狂いはなかった

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ブラックプディン(豚のレバー、ラード、血と穀物を腸詰にしたもの)
ワインはPino GrisとRieslingをお供に。この日出会ったピノ・グリは生涯忘れられない
だろう。フルーティーで上品な香りと蜜のような甘みをたたえた極上の一杯だった。

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ブラックプディン拡大 
昼間の食事の量が半端ではなかったのでこのくらいの量に心底ほっとする

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サービスで出てきたクリーム系スイーツ これがたまらぬ旨さ

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キッシュ・ロレーヌ  翌日の昼のランチセット

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ウサギ肉の煮込み よく煮込まれた豚肉のような食感だった。夜はライブハウスも兼ねる
ようなくだけた感じのレストランだったが周囲のビジネスマンでごったがえしていて
一瞬日本のオフィス街の昼時を思い出した。オーダーを取りに来るのも、料理が出てくるまで 
も時間がかかったが、あちらの人は騒ぐことなくじっと待っていた。

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カタコンベ諦め モンマルトル墓地へ [Paris]

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公園の周りを瀟洒なアパートメントが立ち並ぶ

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墓地の小さな区画のほう

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故人は星の王子様のファンだったのか?

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”アウシュビッツで死す”とある。遠い歴史が身近に感じられる

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ボーボワールとサルトルが仲良く眠る

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帰国を目前にしてカタコンベに行くことにした。

着いたのは土曜日の14時。信じられないくらいの長蛇の列で公園を一周してしまった。
場所も辺鄙なところだししゃれこうべだらけのカルトなところなのでもの好きしか
来ないかなとたかをくくっていたら大間違いだった。旅行者だらけだ。特にアメリカンが
目に付いた。アメリカンがいるということはそこが既にメジャーな証拠だ。
この列の凄さにはベルサイユ宮殿の行列より驚かされた。

並び始めて10分ほどするとカタコンベ職員がやって来て、カタコンベは17時で終了で、
その1時間前の16時に入館を締め切るが、列のこの辺りだとおそらく入館出来ない可能性が
あるので別の機会においで下さいと告げられた。何?2時間待ちなの?この時点でバチカンを
超えた。すごいぞしゃれこうべ。お前はそんなに人気があったのか。これまで日陰者扱い
してゴメン。今日はおとなしく退散して明日出直すよ。

(再度訪れた翌日。10時の開場に向け9時15分に並んだが、入れたのは
10時40分ごろだった。どうも場内に入れる人数を制限しているようだ。カタコンベ
に行くなら2時間待ちは覚悟しておいたほうがいい)


ということで、しょうがないので予定を変更して近くのモンパルナス墓地へ向かった。
ここは南の墓地と呼ばれ、ガイドによるとボーボワールやサルトル、モーパッサン、
シトロエンの創始者、セルジェ・ゲーンズブールなど多くの有名人が眠っているらしい。

有名人の墓巡りもいいがこの日はただ墓苑を歩くだけで十分だった。
だらだらと墓の間を進む。思い思いに装飾が施された墓石が目を引く。
その墓石に掘られた一族の系譜から、人間の一生というものがぼんやり浮かんでくる。

父と母の間に生まれた2人の兄弟の一人は生後4日で亡くなり、
残った兄が無事成長して結婚して奥さんとの間に3人の子供をもうけ、その兄はやがて
40代で亡くなるが奥さんは90代まで長生きする。しかし奥さんも存命中に子供の一人を
亡くしてしまう。

そんな系譜を眺めていると、寿命というものは予測不可能で、いつ尽きるか
分からないものであることがよく理解できる。また、いつか自分もこの世から居なく
なるという事実を突きつけられる。そして、だからこそ今という時間がかけがえのない
ものなんだということに改めて気づかされるのだ。

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ふわふわモン・サン・ミッシェル [Paris]

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もともとは島は海に囲まれていたらしいが、堤防を作ったせいで潮の流れが変わり砂が堆積して
このようなあり様に。干上がってしまった海は臭いことこのうえない。有明海の惨事を思い出す。

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ふわふわオムレツ登場。お味は?

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ムール貝のスープはなぜこんなにも美味いんだろう

モンサンミッシェルには最初行くつもりはなかった。
理由は混んでいるところが嫌いなことと、取り立てて興味を引かなかったことの2点だ。
しかし、パートナーの強いリクエストによって行くことに決定した。

早速、SNCF(フランス国鉄)のサイトにアクセスして早期割引きの往復チケットを
手配した。英語のサイトがありクレジットカードで購入し現物をフランス国鉄の窓口で
引き取れるので便利だ。ちなみに早期割引きチケット(Prem's)だと出発の14日までに
購入すると、場合によっては正価の半額以下になるようだ。変更、払い戻しが出来ないが
これが使えれば旅のコストがぐっと下がる。

電車とバスを乗り継いで辿り着いたモンサンミッシェル。なんとこの日はスト中で
入場はただだった。予期せぬグッドニュースに気を良くして城を巡る。観光客も
恐れていたほどの数ではない。バチカンやベルサイユ、ルーブルの激しい混みようで
既に免疫が出来ているおかげかも。予想に反して城の内部は楽しめた。
上がったり下がったりの迷路のような作りで飽きないのと、その時代を経た佇まいと歴史的
背景に魅了された。守護天使ミカエルの背景など知っておくとより楽しめると思う。

城廻りのあとはある意味本日のメインエベントの『ふわふわオムレツ』体験だ。
ガイドブックにも載っている有名とおぼしき店へ。満員で超忙しのためテンバリ気味のおじさん
ウェイターにオムレツとムール貝を注文する。これが出てくるまでにおっそろしく時間が
かかった。後に来た隣のカップルのオーダーが先に来て食べ終わる頃になってもまだ来ない。
途中で気付いたのだがどうもオーダーを厨房に通すのをお忘れになっていた模様。
たまたまお腹がさほど空いていなかったこともあり気長に待つこと40分。ようやく運ばれて
来た。

うーん。確かにふわふわだけど、味はあまりないかな。その分ムール貝のスープが
濃厚で美味しく感じられた。後で当地の名物潮風子羊のローストを頼まなかったことが
悔やまれた。ちょうど6月の週間文春に林真理子が最近モンサンミッシェルを訪れたとき、
近くの星付きレストラン(ホテル内レストランかも)でそれを食べたときのことが書かれて
いたけれど、絶賛していた。どうも4日(3日だったかな?)で星12個を食されたとか。
ご立派な胃袋をお持ちで。

モンサンミッシェルへ行って良かったな。そのとき一緒に行ったパートナーや行ったことの
ある人とああだこうだとあとで話が出来るのってこれまた旅の醍醐味だから。その点で、
フランスを訪れる日本人観光客が必ず訪れるモンサンミッシェルは格好の場所かもしれない。

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パリジャンのワードローブより思ったこと [Paris]

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パリに来て3人のパリジャンの部屋を垣間見た。
そこで思ったことを一つ挙げるとすれば、『服を着倒す』ということだ。

パリジャンのワードローブはどこもくたくただ。服はところどころ破れヨレヨレ。
靴もかかとはすり減り、革ははげかけている。一見するとゴミかと思う。
でも彼らはそれを羽織り、それを履き、颯爽と町に飛び出してゆく。

そんなくたくたな服を着ていてもパリジャンはどこかお洒落に見える。
おそらく長い間身に付けていることにより服が体の一部になっているんだろう。
日本のおやじのスーツ姿も同じ理由から似合って見える。
そして察するに、自分に対する揺るぎない信頼が服を支配下においているんだろう。
『自分の装いを決めるのは自分』と。個人主義のベースもあるのだろう。

多民族が入り乱れて住むパリは装いも様々だ。
アフリカのダボ服を着た人やイスラムの長いスカートに頭を覆った人、ターバンを
巻いた人なども普通に町を歩き、色彩もいろいろだ。服装に関する不文律が少なそう
から服を選びやすそうだ。日本ならば選ぶ時に多少なりとも他人にどう見られるかを意識
してしまう。自分がそうだ。これを着ると、『あいつ頑張っちゃってるな』なんて思われ
そうだから無難なこの色にしておくかと。そう、『無難』という二文字が日本人を縛る。

フランス人のような格好を東京でしてたら、奇異の目で見られるかもしれない。
ヨレヨレの革ジャンに、色のはげた靴。『あの人、生活に困ってらっしゃるのね』なんて
近所のおばさん連中の格好のネタになるのは間違いなさそう。そう。日本で一番楽なのは
男性ならスーツ姿なのだ。これさえ着てれば大衆の中に紛れ込めるから。

スーツ姿の人のほうが圧倒的に少ないフランス。
日本人のようにきれいなファッションに身を包んでいないフランス。
でも、そこには自由な空気が流れている。
自分はこれが好きだからこれを着ていますというごく当たり前の空気が。

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人間万歳! セーヌ川にて [Paris]

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自分はどうも特徴ある人物を見かけると放っておけないたちらしい。
その人物とは、パリのセーヌ川を1時間かけて巡る遊覧船に乗ったときに遭遇した。

そのお方は中国系とおぼしきおばちゃん。
遊覧船が動き出し、左にグラン・パレが見えてきたなと思ったその時、いきなり
立ち上がりヌッとカメラを構えると写真を撮り始めた。
おばちゃんの年代にしてはなかなかの装備のカメラを構えるその姿に心打たれた。
仁王立ちで、まるで双眼鏡でも覗いているような独特なスタイル。その構えたレンズ
から今にも熱光線が発射されそうだ。

そこからは恐ろしいほどの真剣さが伝わってくる。
実際、おばちゃんの視界の邪魔になっていたとおぼしき罪もない観光客がおばちゃんに
怒鳴られていた。ありゃりゃ。そこは完全におばちゃんの支配区域だった。

世の中には、当人が真剣なほどどこかユーモアが漂ってしまうシーンというのがある。
周りの人間は状況を分かっているが、その人には見えておらず自分の世界で突っ走って
しまう。そのギャップが周りの人間には面白く感じられてしまうのだ。
しかし、どちらがその対象に対して純粋で情熱的かと言えば、突っ走ってるお方だろう。
そして得てしてそういうお方が世に残る仕事を成し遂げる。
普通の人は世間を気にかけ、ほどほどで止めにする。そして周りを感動させることもなく
真剣な人間を笑うことにいそしむ。そう、あのドン・キホーテの物語のように。
いやこの我輩のように。

おばちゃんのお陰でパリの名だたる名所をことごとく見逃した。
でも多いに楽しんだよ。
ユーアーチャンピオン オバチャン !!

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