パリは音がいっぱい [Paris]

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カルチェラタンにて

パリの魅力のひとつに、音楽が身近にあることがあげられる。
ライブハウスやバー以外に、地下鉄の通路、路地、公園など人の集まるところなら
どこででも音に遭遇する。それも、日本のストリートミュージシャンのようにちっぽけな
失恋の痛手を似通った声色で必死に歌うような子供っぽいものでなく、ジャズや
クラシック、アカペラ、はたまた民族楽器まで大人でも楽しめる本格派なものが多い。

町に音楽があると、活気が生まれる。それはまた寛いだ雰囲気を町にもたらす。
それはパリの魅力の一部になり、驚異的な年間旅行者数2800万(パリだけで)に寄与して
いるのだろう。 (*因みに現在の日本全体の年間旅行者数は900万人にも満たない) 
これだけの旅行者が世界中から来るとすればそれだけ投げ銭も集まるだろうから仕事と
して十分成り立つということも街頭ミュージシャンが多い一因かもしれない。

そういえば、ストリートミュージシャンと言えば、今回の旅で忘れられないアーティストに出会った。

ある日地下鉄に乗っていたとき、60歳程の痩せたおばさんが乗り込んできた。どう見ても
普通のおばさんのそのお方は、片手に黒い小型の箱のようなものを抱え、それをドンと
足元に置くと、何やらごそごそし始めた。するとノリノリのラテンの曲が突然黒い箱から鳴り出した。
だが、どうやら曲を間違えたらしく、慌ててリモコンをいじくると一転してムーディーな“べサメ・
ムーチョ”に切り替わった。

おばさんは軽く咳払いをすると、遠慮がちにあたりを見回し少し恥ずかしそうにCDに合わせて
歌いだした。
『べサメ~ ベ~サ~メ ム~チョ~♪』
その歌は申し訳ないが、例えるなら40年ぶりに行われた同窓会の二次会のカラオケで
無理やりマイクを持たされ久しぶりに歌うおばちゃんの歌のようだった。
オーラの全く出ていないどちらかといえば幸薄そうな、しかも歌がまったく素人くさいおばちゃんが、
大衆の面前でそういうことをするということに、先ずは衝撃を受けた。

歌は続く。

『コモ~シフエラ~ラノーチェ~ラウルティマ~べ~ス~♪』
見ると、おばちゃんの前に座っている女子二人組は笑いをこらえるのに必死で肩が揺れている。
その向かいの男性は絶対におばちゃんと目を合わすまいと必死な形相だ。

僕はその光景がシュール過ぎて、おばちゃんには悪いけれどおかしさをかみ殺さんとするばかりに
顎がはずれそうだった。やがて目的の駅に着いて僕と連れは電車を降りたが、あのおばちゃん
は投げ銭を獲得出来たのか気になってしょうがなかった。

パリに行くとこれまでの人生で出会ったことのない音に出会える。
さすがは多様性の町。そして懐が深い。鬼のように深い。

この日、人に感動や衝撃を与えるのは“上手”ばかりじゃないことを教わった気がした。

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発表 旅の携行品 ベスト3 ワースト3  [Paris]

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カンヌのホテルで。持ち物の写真は後で見返すと当時を思い出しやすいので1枚は撮っておきたい

1.持って行って良かったもの

Ipadとipad用SDカードリーダー
辞書、旅行中のblogの作成、訪問先の地図確認、行事検索、緊急ホテル予約ととにかく
大活躍だったのがこれ。アラームにも懐中電灯にも電話代わりにもなり、旅行本もスキャン
して入れておけ、使い方はもう無限。 完全に旅の必需品だろう。

フリクションボールペン スリム、癒し系OLフィギュア “コップのフチ子さん”
現地の人との友好の品として持参。フリクションボールはうんちくを語りながら渡すときの
あの感覚は何物にも代えがたい。コップのフチ子さんは、受け取った人の活用方法を観察
するのが面白かった。ある者は6歳の娘に即与え、彼女は嬉しそうにフチ子さんをバービー
の家に招待していた。またある演劇の演出家は、リビングのスタンドの傘の部分に箱に
入っていたレモン模型とフチ子さんを載せ、アートしていた。

ウェットティッシュ
旅は汚い。そして旅は乾いている。その二つを満たしてくれるにくい奴がウェットティッシュ
だった。そこのあなた!そんな素敵なハンカチを5枚も持って行くのは止めましょう。
ウェットティッシュ3パックで全ては“きれいに”収まるよ。



2.持っていけばよかったもの

プラスティックバッグ入り塩コショウセット
現地でも安く買えるが、容量が大きすぎて荷物のじゃまになる。少量をバッグに入れて
持ってくれば良かったとステーキ肉を購入したときに痛感させられた。

ポッケがいっぱい付いたレインジャンパー
今年の初夏のイタリア、フランスはかなり寒く、現地の人も首をかしげていた。そして各地で
突然の小雨に何度も襲われる羽目に。寒さ対策にも雨対策にもなるレインジャンパーが
あればベストだった。ポッケも多ければ多いほど良い。

すきバサミ
ひと月以上旅をしていると髪もかなり伸びてくる。でも外国の床屋は怖い。そこで、うざったさか、
チャレンジかの二者択一を迫られる。自分は後者をとった。しかし値段に負け(大人8€)、あれだけ
手を出したらいかんと釘を刺されていた中東系床屋に足を踏み入れてしまった。結果は、ゴルゴ
13のデューク東郷風昔のゲイ雑誌に出てきそうな奇妙な短髪にされた。すきバサミを持って
来なかった自分を呪ったのは言うまでもない。



3.不要だったもの

『鉛筆1本で始める3分スケッチ練習帳』とトレーシングペーパー
絵がうまく描ける男になりたいとずっと思っていて、この旅で時間が出来るだろうからいい
チャンスだと持参。結局1ページも開かず、“絵のうまい、ちょいデブオヤジ”の肩書は将来に
預けることになった。

お経
かつてお経を読んでいた時期があった。今回お経よ再びと持参したが、敬虔な宗教心は
とっくに消え失せ、俗物に成り下がっていた。“このバチあたりものめが!”


双眼鏡
劇場にオペラ×1、コンサート×2観に行ったので必要ではあったが、全ての回忘れ、用を
果たせなかった。結局なくてもどうってことはないという意味で。

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パリの食堂の攻め方 [Paris]

パリを旅する人に、約1か月のパリ滞在で僕がたどり着いた一日の食事の
組み立て方を紹介したい。

朝: 自宅にて/コーヒー、クロワッサン(その日の朝買ったものならベスト)、ヨーグルト

昼: レストラン・ビストロのセットメニュー(前菜+メイン+デザート、前菜+メイン、メイン+デザートの3つから選べる。€10~25位)

夜: 自宅にてワインとフランスパン、デリのお惣菜、デザート(日中パティスリーで購入)もしくは、エスニック料理屋で簡単に済ませる。



上記を基本に、クレープ、サンドイッチ、エスニック料理を組み入れて変化を出す。
例えば、昼をテイクアウトのサンドイッチにして公園のベンチで食べ夜にレストラン
へ繰り出したり、昼にタイ料理屋で7.5ユーロ程度のセットメニューを食べて夜は
ワインバーに行くとか。ポイントはレストラン・ビストロの定食Munu(ムニュ)を存分
に活用するということだ。

パリ滞在で一番気になったのが食費が高いこと。食堂に入ると簡単に2千円が消えてゆく。
日本ならば夜はともかくとして昼間から2千円使うのは、セレブ奥様達くらいのものだ。
でも、せっかくフランスに来ているのだから日本で割高なフレンチを堪能したい。
それならば、割安な昼のムニュを軸に一日の食事を組み立てるというのがいい。

因みに選び方だが、フランス語が分からない人は前菜、メイン、デザートから
適当に一つずつ選べばいい。知ってるものを選ぶより、適当に選んだ方がうまいものに
あたったときの喜びは大きい。でもたまに、前菜:冷皿、メイン:冷皿、デザート:アイス
という組み合わせになり、すっかり凍って店を出てくることになることも言っておきたい。

さて、忘れてはならないのがスイーツだ。
パリは洋菓子の都でもあり、美味しいお菓子の宝庫だ。滞在中に出来る限り味わって
おきたい。それには町のパティスリーをフル活用することが肝要。日中観光で歩いている
ときに、美味しそうなパティスリーを見かけたら、飛び込んで購入しておく。それを
歩きながら食べてもいいし、適当な公園があったら一休みがてら食べてもいい。
また持って帰って夜にゆっくりと味わってもいい。それを続けてゆくと確実に太る。
しかし、太るだけの価値のある味覚経験は出来る。

スリに遭ってしまいお金が乏しくなった人へ
Belleville近くのチャイナタウンにある豆腐屋に駆け込めば、豆腐スープとぶっかけ飯が
計€3.5ほどで食べれ、帰国日まで命がつながる。テイクアウトの肉まんもめちゃ安い。
100%中国人で猛烈に混んでいてうるさいが、見知らぬ中国人と肩を並べてスープを
啜っていると、ひととき尖閣問題を棚上げしてやってもいいかという気になる。
因みに滞在中一番安く食事が出来たのがここだった。

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マレ地区にあるビストロ

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古いのか新しいのか判別不能

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水道水はチャージされない

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前菜、メニューから適当に選ぶので何が登場するか楽しみだ

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メインの冷製パスタ

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今日の自分の直感が冴えているかどうか、ここで分かる

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2ヶ月近く豆腐を食べてなかった。しみる!

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カタコンベ諦め モンマルトル墓地へ [Paris]

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公園の周りを瀟洒なアパートメントが立ち並ぶ

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墓地の小さな区画のほう

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故人は星の王子様のファンだったのか?

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”アウシュビッツで死す”とある。遠い歴史が身近に感じられる

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ボーボワールとサルトルが仲良く眠る

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帰国を目前にしてカタコンベに行くことにした。

着いたのは土曜日の14時。信じられないくらいの長蛇の列で公園を一周してしまった。
場所も辺鄙なところだししゃれこうべだらけのカルトなところなのでもの好きしか
来ないかなとたかをくくっていたら大間違いだった。旅行者だらけだ。特にアメリカンが
目に付いた。アメリカンがいるということはそこが既にメジャーな証拠だ。
この列の凄さにはベルサイユ宮殿の行列より驚かされた。

並び始めて10分ほどするとカタコンベ職員がやって来て、カタコンベは17時で終了で、
その1時間前の16時に入館を締め切るが、列のこの辺りだとおそらく入館出来ない可能性が
あるので別の機会においで下さいと告げられた。何?2時間待ちなの?この時点でバチカンを
超えた。すごいぞしゃれこうべ。お前はそんなに人気があったのか。これまで日陰者扱い
してゴメン。今日はおとなしく退散して明日出直すよ。

(再度訪れた翌日。10時の開場に向け9時15分に並んだが、入れたのは
10時40分ごろだった。どうも場内に入れる人数を制限しているようだ。カタコンベ
に行くなら2時間待ちは覚悟しておいたほうがいい)


ということで、しょうがないので予定を変更して近くのモンパルナス墓地へ向かった。
ここは南の墓地と呼ばれ、ガイドによるとボーボワールやサルトル、モーパッサン、
シトロエンの創始者、セルジェ・ゲーンズブールなど多くの有名人が眠っているらしい。

有名人の墓巡りもいいがこの日はただ墓苑を歩くだけで十分だった。
だらだらと墓の間を進む。思い思いに装飾が施された墓石が目を引く。
その墓石に掘られた一族の系譜から、人間の一生というものがぼんやり浮かんでくる。

父と母の間に生まれた2人の兄弟の一人は生後4日で亡くなり、
残った兄が無事成長して結婚して奥さんとの間に3人の子供をもうけ、その兄はやがて
40代で亡くなるが奥さんは90代まで長生きする。しかし奥さんも存命中に子供の一人を
亡くしてしまう。

そんな系譜を眺めていると、寿命というものは予測不可能で、いつ尽きるか
分からないものであることがよく理解できる。また、いつか自分もこの世から居なく
なるという事実を突きつけられる。そして、だからこそ今という時間がかけがえのない
ものなんだということに改めて気づかされるのだ。

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ふわふわモン・サン・ミッシェル [Paris]

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もともとは島は海に囲まれていたらしいが、堤防を作ったせいで潮の流れが変わり砂が堆積して
このようなあり様に。干上がってしまった海は臭いことこのうえない。有明海の惨事を思い出す。

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ふわふわオムレツ登場。お味は?

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ムール貝のスープはなぜこんなにも美味いんだろう

モンサンミッシェルには最初行くつもりはなかった。
理由は混んでいるところが嫌いなことと、取り立てて興味を引かなかったことの2点だ。
しかし、パートナーの強いリクエストによって行くことに決定した。

早速、SNCF(フランス国鉄)のサイトにアクセスして早期割引きの往復チケットを
手配した。英語のサイトがありクレジットカードで購入し現物をフランス国鉄の窓口で
引き取れるので便利だ。ちなみに早期割引きチケット(Prem's)だと出発の14日までに
購入すると、場合によっては正価の半額以下になるようだ。変更、払い戻しが出来ないが
これが使えれば旅のコストがぐっと下がる。

電車とバスを乗り継いで辿り着いたモンサンミッシェル。なんとこの日はスト中で
入場はただだった。予期せぬグッドニュースに気を良くして城を巡る。観光客も
恐れていたほどの数ではない。バチカンやベルサイユ、ルーブルの激しい混みようで
既に免疫が出来ているおかげかも。予想に反して城の内部は楽しめた。
上がったり下がったりの迷路のような作りで飽きないのと、その時代を経た佇まいと歴史的
背景に魅了された。守護天使ミカエルの背景など知っておくとより楽しめると思う。

城廻りのあとはある意味本日のメインエベントの『ふわふわオムレツ』体験だ。
ガイドブックにも載っている有名とおぼしき店へ。満員で超忙しのためテンバリ気味のおじさん
ウェイターにオムレツとムール貝を注文する。これが出てくるまでにおっそろしく時間が
かかった。後に来た隣のカップルのオーダーが先に来て食べ終わる頃になってもまだ来ない。
途中で気付いたのだがどうもオーダーを厨房に通すのをお忘れになっていた模様。
たまたまお腹がさほど空いていなかったこともあり気長に待つこと40分。ようやく運ばれて
来た。

うーん。確かにふわふわだけど、味はあまりないかな。その分ムール貝のスープが
濃厚で美味しく感じられた。後で当地の名物潮風子羊のローストを頼まなかったことが
悔やまれた。ちょうど6月の週間文春に林真理子が最近モンサンミッシェルを訪れたとき、
近くの星付きレストラン(ホテル内レストランかも)でそれを食べたときのことが書かれて
いたけれど、絶賛していた。どうも4日(3日だったかな?)で星12個を食されたとか。
ご立派な胃袋をお持ちで。

モンサンミッシェルへ行って良かったな。そのとき一緒に行ったパートナーや行ったことの
ある人とああだこうだとあとで話が出来るのってこれまた旅の醍醐味だから。その点で、
フランスを訪れる日本人観光客が必ず訪れるモンサンミッシェルは格好の場所かもしれない。

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パリジャンのワードローブより思ったこと [Paris]

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パリに来て3人のパリジャンの部屋を垣間見た。
そこで思ったことを一つ挙げるとすれば、『服を着倒す』ということだ。

パリジャンのワードローブはどこもくたくただ。服はところどころ破れヨレヨレ。
靴もかかとはすり減り、革ははげかけている。一見するとゴミかと思う。
でも彼らはそれを羽織り、それを履き、颯爽と町に飛び出してゆく。

そんなくたくたな服を着ていてもパリジャンはどこかお洒落に見える。
おそらく長い間身に付けていることにより服が体の一部になっているんだろう。
日本のおやじのスーツ姿も同じ理由から似合って見える。
そして察するに、自分に対する揺るぎない信頼が服を支配下においているんだろう。
『自分の装いを決めるのは自分』と。個人主義のベースもあるのだろう。

多民族が入り乱れて住むパリは装いも様々だ。
アフリカのダボ服を着た人やイスラムの長いスカートに頭を覆った人、ターバンを
巻いた人なども普通に町を歩き、色彩もいろいろだ。服装に関する不文律が少なそう
から服を選びやすそうだ。日本ならば選ぶ時に多少なりとも他人にどう見られるかを意識
してしまう。自分がそうだ。これを着ると、『あいつ頑張っちゃってるな』なんて思われ
そうだから無難なこの色にしておくかと。そう、『無難』という二文字が日本人を縛る。

フランス人のような格好を東京でしてたら、奇異の目で見られるかもしれない。
ヨレヨレの革ジャンに、色のはげた靴。『あの人、生活に困ってらっしゃるのね』なんて
近所のおばさん連中の格好のネタになるのは間違いなさそう。そう。日本で一番楽なのは
男性ならスーツ姿なのだ。これさえ着てれば大衆の中に紛れ込めるから。

スーツ姿の人のほうが圧倒的に少ないフランス。
日本人のようにきれいなファッションに身を包んでいないフランス。
でも、そこには自由な空気が流れている。
自分はこれが好きだからこれを着ていますというごく当たり前の空気が。

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人間万歳! セーヌ川にて [Paris]

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自分はどうも特徴ある人物を見かけると放っておけないたちらしい。
その人物とは、パリのセーヌ川を1時間かけて巡る遊覧船に乗ったときに遭遇した。

そのお方は中国系とおぼしきおばちゃん。
遊覧船が動き出し、左にグラン・パレが見えてきたなと思ったその時、いきなり
立ち上がりヌッとカメラを構えると写真を撮り始めた。
おばちゃんの年代にしてはなかなかの装備のカメラを構えるその姿に心打たれた。
仁王立ちで、まるで双眼鏡でも覗いているような独特なスタイル。その構えたレンズ
から今にも熱光線が発射されそうだ。

そこからは恐ろしいほどの真剣さが伝わってくる。
実際、おばちゃんの視界の邪魔になっていたとおぼしき罪もない観光客がおばちゃんに
怒鳴られていた。ありゃりゃ。そこは完全におばちゃんの支配区域だった。

世の中には、当人が真剣なほどどこかユーモアが漂ってしまうシーンというのがある。
周りの人間は状況を分かっているが、その人には見えておらず自分の世界で突っ走って
しまう。そのギャップが周りの人間には面白く感じられてしまうのだ。
しかし、どちらがその対象に対して純粋で情熱的かと言えば、突っ走ってるお方だろう。
そして得てしてそういうお方が世に残る仕事を成し遂げる。
普通の人は世間を気にかけ、ほどほどで止めにする。そして周りを感動させることもなく
真剣な人間を笑うことにいそしむ。そう、あのドン・キホーテの物語のように。
いやこの我輩のように。

おばちゃんのお陰でパリの名だたる名所をことごとく見逃した。
でも多いに楽しんだよ。
ユーアーチャンピオン オバチャン !!

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余韻が残るローランギャロスとロンシャン競馬場 [Paris]

パリは大都市。凱旋門、エッフェル塔、ルーブルなど見るべきものが沢山ある。
どれも素晴らしいものばかりだけれど、観光客向けの名所以外にも行きたいところが
沢山あって困る。そんなひとつがロンシャン競馬場だ。

ロンシャンと言えば、フランスのバッグメーカーの名前が真っ先に浮かんでくるが、
実は世界で最も美しいと言われる競馬場の名前でもある。その歴史は1857年の開場にさかのぼり、
最初のレースにはかのナポレオン3世が妻を伴って観戦したという歴史的な場所だ。
開催日を調べると、ちょうど月曜日にレースが行われるらしい。ロンシャン競馬場はあの全仏
オープンが行われるローランギャロスの隣にあるんだよと今回のイタリア旅行中に知り合った
高倉健似のMさんからメールで教えてもらった。折しも日曜日に全仏が終わったばっかりだ。
かつてはテニス小僧だったこともあり、ぜひローランギャロスものぞいてみたい。
そこでローランギャロスとロンシャン競馬場を訪れることに決めた。

ローランギャロスの最寄り駅に着いたとき、おじいさんに道を聞いた。ローランギャロスを
回ってロンシャンまで歩いて行くと言うと、彼は自分の読んでたスポーツ新聞の競馬欄を
切り取って僕にくれた。しかし、破るのに手間取っていた隙にバスが来て去ってしまった。
信じられない運転手だと憤慨するおじいさん。ごめんおじいさん。

その新聞の切れ端によると、競馬場の開場は13:20で第一レースは13:50からだと書いて
あった。どうやら少し早く着きすぎたようだ。仕方がないのでもう一度地下鉄に乗り直し
カルチェラタン方面へ行き、パンテオンなどを見学して再び戻ってきた。パリの地下鉄
はくまなく張り巡らされていて機動性があり、こういうときに便利だ。
そしてローランギャロスと書かれた方面へ向かって歩き始めた。初めての者にとっては
少し分かりにくい。でも全仏の開催期間中は人の波が勝手に目的地に連れてってくれるん
だろう。

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ローランギャロスと書かれたボードが。胸が高鳴った!

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全仏開場の案内板が。

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センターコートか?

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昨日決勝戦が終わったばかりで撤収作業の真っ最中だった

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『ちょっとだけ写真撮らせて』と頼んだら、頑なにダメと拒絶された。ケチ

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偶然歩道の柵越しに見えたコート。赤土の色がすごい。確か杉山愛のブログにローランギャロス
の赤土は洗濯しても色が落ちないと書いてあったような気がする

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チラリと見えた観客席

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伊達も杉山も錦織もこのコートで頑張っていたことがあるんだろうかなんて一人想像する

さて、ローランギャロスを後にして今度はロンシャン競馬場を目指す。隣と書いたが
実は同じくブローニュの森の一角にあるものの15分ほど歩くらしい。

歩けど歩けどロンシャンが見えてこない。もう開場時間は過ぎた。あと20分でレースは始まる。
ちょっと焦ってきた。その辺りは人が歩いていない。競技用自転車の集団が横をビュンビュン
通り越してゆく。あとで分かったことだが、ローランギャロスからロンシャンへのアプローチを
間違え遠回りしてしまったらしい。レースまであと10分となった時、いよいよ走ることにした。

さっきカルチェラタンで食べたクレープが重い!その上、革ジャンにリュックといういでたちだ。
瞬く間に汗が吹き出してきた。しばらくして前方の緑の間から白い建物らしきものがチラホラ
見え始めた。ふう。馬が走るのを見にきたのに自分が走ってどうするよなんて言ってる場合
じゃない。今日は第一レースが肝心なのだ。是が非でも着かないと。
やっとの思いで着いたときには汗でぐしょぐしょ状態だった。

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最初は木造の建物だったらしいが、1904年に石造で立て直されたらしい。これがそのときの
建物かは不明。

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この日の観客はまばら

入場料3ユーロ払って中に入るとふと前方のパドックで馬を引く人の姿が見えた。
ゼイゼイ言いながらたどり着くと、10番と16番の馬がなんとなく目立った。今日は頭に
浮かんだ3という数字にあやかり、3番単勝で行こうと決めていたがこの10と16も加える
ことにした。そのまま馬券売り場に直行し、3、10、16を一口ずつ計6ユーロで購入。
今日はあくまでもお遊びなのでなのでこんなもので。

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ロンシャンの馬券

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今日のレース表とおじいさんにもらった競馬欄

スタジアムのエスカレーターを上り中に入った。『ひろっ!』というのが第一の印象だ。
向こうに風車のようなものも見える。すごいなこの競馬場は。階段を降り芝生の真横まで
行ってみた。そのとき、余韻に浸る間もなくいきなりレースは始まった。フランス語の実況解説
が何かまくし立ててる。一回の芝生に居るのでいまどの辺りを走っているのかわからない。
スクリーンを見ても場所の見当がつかない。戸惑っているうちに右手のコーナーから馬が
疾走してくるのが見えた。そうこうするうちに以外とあっさりと横を通過して行った。
順位もよく見えなかった。ありゃ、すっかりレースを見損なってしまったぞ。

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レールを終えて戻ってくる馬

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ジョッキー同士 くだけた調子で会話をしていた

この競馬場の場所は、もとフランス革命のときに破壊された女子修道院の跡地らしい。
奥に見える風車はそのときのもののようだ。

しばらくして電光掲示板に結果が映し出された。
うん? 16という数字が表示されている。どうやら1位に入ったようだ。やった!
なんとビギナーズラックで勝ってしまった。

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2ユーロが15ユーロちょっとに。

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関係者しか入れないスペース。洒落たカフェのようなものもあった

この日の競馬場は少し閑散としていた。これが凱旋門賞などのときはすごい人出なのだろう。
競馬場もやはり人でごった返している方が面白い。でもそうなると自分も熱中してしまい、
相当な寄付金を置いてくる羽目になるだろう。
ギャンブルは買っている時に止めるのが勝利の鉄則だと言われる。
それが簡単にできれば苦労はないんだけどね。

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パリ・クレ(スタンドで食べるパリのクレープ) [Paris]

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カルチェラタンのムフタール通り沿いの店

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あちらのクレープはどこもチーズの量が半端じゃない

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よく見かけるサンドイッチ

自分は実は甘いものもいける口である。というより大好きだ。
ことクレープに関しては16のときに洗礼を受けている。
洗礼名は、”クレープ・ド・アタマ・ワルスギ”だ。

時はバブル前夜の1984年。ラジオからは、石川優子&チャゲの”ふたりの愛ランド”
や杉山清貴&オメガトライブの”君のハートはマリンブルー”などが流れていた時代。
その夏、軽井沢へバイトをしに行った。連日朝7時から夜11時までクタクタになるまで
働いて、1週間に一度の休日に旧軽通り入口にあった楽焼&クレープ(今思うと不思議な
組み合わせだ)の店へ行くことが楽しみだった。
そこは50くらいのハワイの日系風(とにかく日本人離れしてた)ターザン兄貴がやって
いる店で、肩幅の広い日焼けした顔に笑顔が眩しいターザンの格好良さにやられて
そこに通ううちにクレープの旨さに開眼してしまったわけだ。

さて、写真のクレープは学生の町カルチェラタンにて。5.5ユーロでコーラと目玉焼き
&チーズ&ハムクレープ、そして別にチョコクレープがついて来るものすごいお得なセットだ。
確かに最初の三口目までは美味しい。しかし、残念なことが。まず日本人にとってこの
チーズの量はちょっと多いかもしれない。チーズが高い国の国民としてはとても有難い話
なんだけど、最後の方はチーズとバターで胸焼けがして来る。それともう一つ、味が単調
なため最後の方で飽きてくる。これに何かソースがあったらより美味しいのに。

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パリ蚤の市 戦利品速報 [Paris]

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ヴァンヴ蚤の市

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同じくヴァンヴ。フランスTVの撮影が行われていた

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店番犬

蚤の市に行ってきた。主な市はパリに3箇所あり週末に行われるので2日間かけ全て
回ってみた。簡単にそれぞれの特徴をまとめた。

ヴァンヴの蚤の市 (Le Puces de Vanves)
左岸(南より)の穏やかな地域にある。歩道の両側に露店が広がり、それがずらっと続く。
アンティークや雑貨が中心で客層も白人が多く治安も良い。散歩がてらゆったりと見て
回れる雰囲気。一つ1ユーロのガラクタを3点購入。

クリニャンクールの蚤の市 (Les Puces de Clignancourt)
最も規模が大きい。パリ北部にあり町のガラは悪そう。有名で観光客も多いためか値段は高め。
安物の衣類や靴、日用品がずらっと並び騒然としていて若者が多い。その一角にヴェルネゾン(Vernaison)という地区があり、そこはアンティークや雑貨専門で客層もがらりと変わって安全
で落ち着いて散策できる。但し値段は高い。その中にシャンソンレストラン発見。フランス人
のお客さんが”愛の賛歌”を熱唱していた。そこは面白そう。
ここにて1967年発刊のミケランジェロ絵画集を3ユーロで購入。

モントルイユの蚤の市 (Les Puces de Montreuil)
パリ東部に位置しガラはあまりよろしくない。一番ガラクタ率高し。
駅から市に向かう路上で、程度のいい中古の高級靴を各人2、3足並べて売りさばくゲリラ部隊
を発見。イタリア革靴が40ユーロだった。
ここの蚤の市は中古の靴や衣類、電化製品、工具などゴミとの線引きが難しいものが多い。
しかし、お宝発見があるとすればここだろう。古着好きにもたまらないかもしれない。
観光客はあまり来ておらず(日本人観光客には遭遇せず)値段も地元プライス。

結論から言うと、日本人が描く、青空の下で骨董品を眺めながらのんびりと歩く市のイメージ
を持つのはヴァンブ蚤の市だけかもしれない。そして蚤の市と言うと安いイメージがあるが、
完全に商売になっているので決して安くはなかった。それでも50年ほど前に使われていた
フランスの道具を見ながら歩くのは楽しい。その中で、偶然ハッとした掘り出し物に出会うこと
もあるよというのが蚤の市というところなんだと思った。

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仏製デッドストックのワークジャケット。モントルイユにて5ユーロで。

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革ジャン。同じくモントルイユにて。20ユーロ。

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ヴァンヴで各1ユーロ。家に帰ると、手前の指輪がころっと転がり出てきた。
多分どこかに引っかかってくっ付いて来たのだろう。

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